Genkei社さん製3Dプリンターの「Atom」という機種を
組み立てるワークショップに参加してきました。
Solidoodleもそろそろ限界にきているようなので、
新しい機種を買い直そうと思ったのですが、
機械だけでなく機械をメンテ出来るスキルを身につけないと
あとで大変な目にあうので、
ワークショップ付だったのがこの機種を選んだポイントです。
25時間にわたる戦いの記録(笑)をご紹介します。
- 2013/10/05:公開 -
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AM 10:00 講習前風景
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広尾の綺麗なオフィスです。
講習用の部品が配置されていました。
意外と部品数少ないんですねぇ
これならすぐに組立て上がりそう♪
【ワークショップ概要】
・Atom 組立キット 129,800
・Atom 組立ワークショップ 上記に+27,970
・ショップ時間 10:00~18:00 @ 広尾
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AM 12:00 外殻完成
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講習開始後2時間程度で外殻は組みあがりました。
途中で3Dプリンター論など雑談しながらのんびり組立です。
ここまではプラモデル感覚で楽しいのです。
金属パーツ以外は3Dプリンターで作った部品というのが面白いですね。
こいつが組みあがったら自分で3号機を複製したいと思います。
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PM 14:30 配線完成
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お昼休憩時間を挟んで、午後は基盤の配線です。
異様にケーブルが長いので、
油断するとからまってしまいます。
基盤のインターフェースは非常にシンプルで
間違えることはなさそうです。
Sanguinororuと違ってボードに名前が書いてありますので…
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PM 16:30 ソフトウェア完了
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私はノートPCを持っていのでGenkeiさんにお借りしました。
既にソフトの設定は完了しているマシンだったのですが、
一応一通りの設定をトレースして大体2時間の作業です。
①Arduinoドライバのインストール
②Marlinファームウェアの書き込み
③Kisslicerの設定
④Pronterfaceの設定
どの機種でもやる事は大体一緒ですね。
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PM 17:00 ヒーテッド別途取付
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私の場合ABSを使うので
オプションのヒーテッドベッド(\1,500)を同時に購入しました。
時間が余ったので、はんだごてを借りてつけちゃいました。
15分程度の作業です。
写真は踊るRepraperの加藤さんです。
こう見えてReprap Japanの発起人で
Atom君を設計した第一人者のすごい人です。
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PM 18:00 ワークショップ終了~
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みなさん、初造形の「猫さん」を完了しました。
私だけ樹脂が剥がれて失敗しました。ショボン
やり直す時間もありましたが、
Genkeiさんのスタッフの方に色々質問しているうちに
時間が過ぎてしまったので自宅に帰ってからリベンジします。
ちなみにですが、
私だけWS時間内に造形完了しなかったのは
自作データをスライスしたり
ヒーテッドベットのうえに持参カプトンテープを巻いたり
最初から高品質を目指して勝手な事をやっていたせいです。 (スミマセン)
他の皆さんはちゃんと時間内に初造形まで
成功させておられましたのでご安心ください。念の為~
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PM 21:30 配線整理
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帰宅後とりあえず配線を整理します。
長いケーブルをカットして全部はんだ付けしました。
そのままでも良いのですが、
どうもこういうのは気になるので…
写真(右)は更にパイプで配線をまとめています。
ちなみに写真(左)はおなじみSolidoodleです。
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PM 23:00 ソフトウェア設定完了
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改めて自分のPCで環境構築です。
ファームウェアの書き込みで少々手間取りましたが、
ワークショップの説明を思い出しながら
Genkeiさんのサイトの手順通り進めます。
私の場合、pronterfaceより使いなれたRepetier-hostの方が
使いやすいので後者を使ってます。
Kisslicerは初めて使ってみたのですが、
いけてるG-codeをはいてくれるので
ちょっと勉強してみようと思います。
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AM 1:00 MINTEMPエラー
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ソフトウェアの設定が終わって
Repetier-hostからConnectしたのですが、
"Extruder switched off.MINTEMP triggered!"のエラーがでて
Atom君が起動しません
Solidoodleで何度も見たエラーだと思ったのですが、
良く見ると「MINTEMP」!?
「MAXTEMP」のエラーは何度もあったのですが、
「MINTEMP」エラーは初めてです。
とりあえずArduinoのMINTEMP値を
デフォルトの5→0に変更しました。(いいのかしら)
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AM 1:30 サーミスタ不良
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上記の設定変更後Atom君は無事起動しました。
がホットエンドの温度が上がりません。
いくらたっても0度のままです。
(※だからMINITEMPエラーが出ていたんですね)
ヒーテッドベットは問題なく過熱しています。
基盤を何度も確認しましたがやはりだめ…
ホットエンドのテープをはがそうとしたら指が「ジュッ」と…
PC上では0度ですが、実際にはかなり高温になっていました。
サーミスタをSolidoodleのお古に変えた所なんと360度を計測…
当然すぐに「MAXTEMP」のエラーを検知して、
Repetier-hostはダウンです。
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AM 3:00 傾き微調整
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前述の通り、サーミスタ部分だけ交換した所
一通り正常稼働するようになりました。
※後日すぐにGenkeiさんより代替品が届きまして
現在は問題なく動いております。
早速造形開始~なのですが、
どうもヒーテッドベットのつけ方が甘いようで
テーブルが傾いています。
造形の全面は丁度いい固着なのですが、
後ろに行くにつれてノズルが浮いてきます。
ついでに防熱布を他に敷いて
テーブルの傾きをじっくり微調整しました。
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AM 5:00 フィラメントが射出されない
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ラフトは正常に造形されたのですが、
しばらくするとフィラメントが射出されなくなりました。
いろいろバタバタしているうちに
エクストルーダのギアが緩んで
フィラメント押し出しが空回りしていた様です。
エクストルーダを分解してネジをきっちり閉め直しです。
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AM 11:00 造形完了
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ワークショップから丸一日立って
なんとか初造形が完了しました。
フィラメントのリール用の2㎝位の部品です。
ちなみに私はABSで積層1.5で造形しています。
PLAでもう少し大きい積層であれば
もっと簡単にできると思います。
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AM 17:00 造形完了
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本番、というわけでもないのですが
品質比較用の造形が完了しました。
1㎜程度のエッジの品質はよりかなり高精度で出ています。
Kisslicerのコード生成アルゴリズムのお陰かもしれませんが、
反り&収縮が全くありません。
Solidoodleならこの程度の造形でも
.5㎜~1㎜くらいは反りますね…
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【感想~♪】
全体的に失敗しそうな所がよく考えられて設計されています。
造形品質の微調整がとてもやり易く
使う人の目線に立って設計されていると感じました。
経年劣化分を差し引いても(Solidoodleと比較すると)
流石日本品質だと思います。
Solidoodleを購入した際は、日本語の情報は皆無で
自分で分解しては仕組みを理解して対処していくという繰り返しでしたので
今回のワークショップは天国(笑)のようでした♪
次回はSolidoodleとAtomの比較をレビューしたいと思います。
ちなみに先日
Solidoodle使用一周年を記念してまとめた感想はこちらに…
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関連ページ
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・【Solidoodleの修理】 ~ Sanguinorolu基盤のコンデンサーが焼きつきました。
・【Solidoodleトラブル2(ホットエンドが過熱しない)】 ~ ホットエンドが過熱しなくなりました。
・【Solidoodleトラブル3(ヒーテッドベッドが過熱しない)】 ~ ヒーテッドベッドが過熱しなくなりました。
・【Solidoodleトラブル4(Printer stopped due to errors)】 ~ 造形中に危険停止するようになりました。
・【Solidoodleトラブル5(ノズル詰まり) 】 ~ ノズルを掃除してもフィラメントが出なくなりました。
・【Solidoodleトラブル6 (電源)】 ~ また危険停止が頻発しました。
・【Solidoodleトラブル7(電源ショート)】 ~ Sanguinorolu基盤の電源コネクタが焼きつきました。
・【3Dプリンタトラブルシューティング】 ~ 3Dプリンタートラブル時の修理対応について公開しています。
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