095 3Dプリンターに関する総務省の報告書を見てみた

3Dプリンターに関する総務省の報告書を見てみた


3Dプリンターが普及した近未来(?)の展望というコンセプトで

2014年から総務省が検討会を始めたそうです。


1年間のWGの報告書というドキュメントが

総務省のサイトで公開されていたので興味本位で読んでみました。


なかなかイケてる資料だと思うのですが、

太っ腹なことにクリエイティブコモンズで公開されていたので、

個人的な感想含めて紹介します♪

思ったことを好き勝手に書いてます。不愉快に思う方がいらっしゃいましたらスミマセン。



「ファブ社会」の展望に関する検討会

「ファブ社会」の展望に関する検討会報告書 要旨

出典元:総務省情報通信政策研究所

- 2015/04/22:公開 -



第1章 デジタルファブリケーション(以下DFと記載)の発展による
フィジタル空間の出現とものづくりの変化(1/4)



ネットとPCの性能向上と工作機器の進化が相乗効果をもたらして

現在のファブブームとなった旨説明されています。


これはその通りだと思います。

この3つのいづれのインフラが欠けても、

DFは発展しないでしょう~



第1章 DFの発展による
フィジタル空間の出現とものづくりの変化(2/4)



「サイバーとリアルが融合したフィジタル空間」という

よくわからない造語が出てきていますが、

要はすぐにリアル化可能な3Dデータが

ネット上に存在する状態を指しているのだと思います。


※これまでの紙の設計書を有価証券とすると
すぐに具現化できる3DデータはCP(コマーシャルペーパー)みたいなもの



ちなみに「ばーちゃわーるど」の名前の由来も

ばーちゃ(ネット上の仮想3Dデータ)をわーるど(リアル模型)化する

というコンセプトなのです♪




第1章 DFの発展による
フィジタル空間の出現とものづくりの変化(3/4)



今後のものづくりの変化(の見通し)について説明されています。


「産業におけるデジタルファブリケーション」に記載の内容は

20年以上前からある事象で革新でもなんでもないのですが、

「パーソナル〃」に記載の企画や設計者が「つくる」部分も行えるようになる点、

「ソーシャル〃」に記載のネット上でのデータ共有が今回のブームの根幹だと思います。



第1章 DFの発展による
フィジタル空間の出現とものづくりの変化(4/4)



現在までのDFの事例が紹介されています。

ニュース等で紹介されている内容が列挙されていて

特に目新しい情報・意見はないです。



第2章 「ファブ社会」出現予兆


「社会変革の流れ~」の意味はよくわかりませんねぇ~スルーします。


「インターネット~」この内容は同感です。STLで半標準化されていますが、

もう一段上流段階の統一化がされれば発展に拍車がかかると思うのですが…。


「ユーザーイノベーション~」はちょっと疑問です。大量生産がもたらすコスト低減効果と

自分で「ものをつくる」事を面倒くさいと感じる人も多い事がもれていると思います。


「デザインコンシャス~」はとってつけた感が強い項目です。デザインはDFに関係なくすでに

インターネットで積極的に発信・交流されていますので本検討とは少々畑違いでしょう。



第3章 ファブ社会がもたらす社会構造変化(1/4)



ネットや書籍でよく見るキーワードなのですが、

少なくとも「誰でも」は無理で、

3Dプリンター(またはほかのデジタル工作機械)

を使いこなす技術がある人限定です。


おそらく「企業」だけでなく「個人」でも可能

という意図だと思いますが、

工作機械の取り扱いをあまりに簡単だと勘違いさせる言い回しで

注意が必要だと思います。



第3章 ファブ社会がもたらす社会構造変化(2/4)



「ものではなくデータ販売に」←これはないと思います。

3Dプリンターの強みは自分一人にしかニーズのないモノを作れることにあります。

逆に多くの人に売れるような形状のデータなら、

大量生産されて100円ショップで安く購入でるようになるでしょう。


「製造・物流のコストが大幅に低下する」←物流コストが大幅に低下するかは疑問ですが、

ネットワークの負荷は大幅に増加するでしょうねぇ~





第3章 ファブ社会がもたらす社会構造変化(3/4)



「製造」←試作品に関しては目新しい事ではない。

現在Fablabで製造できるブツでは商用の試作品の精度にははるかに及ばない(と思う)。

※Fablabに「Projetシリーズ」なんかが導入されれば話は別ですけどね~

「物流」←みんなが自分で創りたいわけではない。大多数の人は既存製品を好む(と思う)

「販売」←データのオーダーメイドはニーズが多いが
汎用的なデータは量産品向きなので畑違い(と思う)。

「決済」←ホントかどうかわかりませんが、なんとも…。

「製品」←ここはその通りだと思います。ただし一般の人に関係する事は稀でしょうねぇ。



第3章 ファブ社会がもたらす社会構造変化(4/4)



「労働」←デジタルファブリケーションと直接関係ないのでは…?

「くらし」←わずかにはこういう動きもあるかとは思います。

「まなび」←こういう方向が進むといいですねぇ。
日本の子供は「ものづくり」をしなくなったといわれて久しいですから~

「法制度」←これも大事だと思います。こういうのを放っておいて
後で大問題になるのは日本のいつもの動きですから~

「生活圏」←デジタルファブリケーションと直接関係ないのでは…?



第4章 健全なファブ社会発展に向けた課題



「仕組みの構築」←言ってることは間違ってないのですが、

ルールを作れば皆守るという前提は無意味だともいます。

 技術的に制限や監視を実施する具体的な手段を検討する必要があると思います。


「人材の育成」←「新領域デザイン」という造語の意味はよくわかりませんが、

教育の場を提供するのは大事だと思います。


「情報発信と保存」←抽象的な話ですが、

これも3Dデータという性質を最大限活用した観点だと思います。



言いたいことを徒然と勝手に書きなぐってみましたが、

個人的にはDF時代は大歓迎だと思ってます。

ただ、3Dプリンターが安く・簡単に提供されるようになると

みんながモノづくりに興味を持つ 事が前提に書かれているのが気になりました。

モノづくりに興味がない(むしろ嫌い)人は

いくら安くても、簡単でも自分でものをつくりません~

というのが個人的シメでございます~

このワーキングは今後も続くようなので

レポートが公表されたら時々見てみようと思います。


関連ページ


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「95 3Dプリンターに関する総務省の報告書を見てみた」は以上です。

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