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088 ディアゴスティーニの週刊「マイ3Dプリンター」を検証してみた。
ディアゴスティーニの週刊「マイ3Dプリンター」を検証してみた。
ディアゴスティーニ社が週刊「マイ3Dプリンター」という雑誌を創刊しました。
毎週3Dプリンターのパーツ付録つきで
約1年で完成するというものです。
面白そうなので創刊号を購入してみました。
「検証」といっても完成実機がある訳ではないので、
創刊号とカタログを見ての率直な感想です♪
- 2015/1/18:公開 -
お値段
創刊号999円+各号1998円×54回=
¥108,891
家庭用3Dプリンターとしては
大体平均的な所だと思います。
(あくまで2015/1現在)
ちなみにウチの1号機(Solidoodle2)が
$499
2号機(Genkei社Atom)が
¥129,800
メジャー品で安いのは台湾XYZPrinting社の
ダヴィンチの
¥69,800
あたりが最安だと思います。
カタログ性能
マイ3Dプリンター(機種名:idbox)の設計元の
ボンサイラボさんの製品と比較してみました。
機種
idbox
BS01(シングル/組立)
総コスト
\108.891
\89,800
本体サイズ(mm)
250*250*275
250*250*275
重さ(Kg)
5
5.4
造形サイズ(mm)
150*130*100
150*130*100
ノズル径(mm)
0.4
0.4(0.2~0.5㎜変更可)
積層ピッチ(mm)
0.1
0.1推奨
造形スピード(mm/s)
100
100
対応フィラメント
PLA,ABS(1.75mm)
PLA,ABS(1.75mm)
カタログ的には
同じ性能
と考えてよさそうです。
本の内容
「マイ3Dプリンター」は機械だけでなく
本がついているのが特徴です。
(正確には逆…)
本の内容は良くできていて、
①パーツ組立説明書
②3Dプリンターの説明
③3Dデータ作成のチュートリアル
となっていました。
3Dプリンターが組みあがる頃には
構造が理解でき自分でメンテできる
&
3Dデータが自作できる
様にできています。
筐体について
特徴は透明アクリルで
全体サイズの割に造形エリアが大き目の設計です。
実機がないので推測ですが
【メリット】
・造形エリアがガードされているので温度管理がし易い。
→特許は大丈夫のかな…
・筐体が透明なので造形中のチェックがし易い。
→経験上、これは重宝すると思います。
・サイズの割に軽い
→移動する機会は少ないですが一応。
【デメリット】
・剛性が低い。
→推測ですが頻繁にネジが緩むと思われます。
・割れ易い。
→アクリルは高いので割れるとイタい…
・内部のメンテナンスが大変そう。
→造形エリア以外が狭いので、メンテの際は器用さが必要そう
ノズルについて
ノズルは結構消耗品なので、
完成後の交換&入手性は重要です。
写真では判別できないのですが、
BS01と同じとするとおそらく真鍮のM5サイズと思われます。
ボンサイラボさんのページや
イーベイあたりで0.2~0.5㎜ノズルは安く手に入ります。
ベッドについて
カタログを見る限りヒーテッドベッドは実装していないようです。
みなさん色々工夫してますが、
相当なスキルが無い限り
ヒーテッドベッドなしで
ABS出力は厳しい
と思います。
PLAを使う人以外は
ヒーテッドベッドの自作を考えた方がよいかも…
「3Dプリンター専用シート」という物はのがあるそうですが、
どうなんだろう~そのうち試してみます。
積層ピッチについて
3Dプリンターの性能を計る際に
よく「積層ピッチ」が引き合いに出されますが
実は大した問題ではありません。
積層ピッチをいくつにするかは
STLのスライスの際に設定
できますし、
結局、ステッピングモーターを何分の1刻みで
回転させることができるかだけの問題です。
目安としてはカタログ上で
0.1~0.2
程度なら個人向けには十分です。
造形スピードについて
こちらも
データをスライスする際に設定
できるので
ハード上のスペックはあまり問題ありません。
早くすれば品質が劣化しやすいし、
品質を求めるならヘッドスピードは遅くします。
参考までに私は大体
40㎜/s前後
で造形する事が多いです。
フィラメントについて
BS01と同じく1.75㎜の汎用フィラメントが使えるようです。
コストについては
こちらを参照
下さい。
3DシステムズのCubeシリーズのように
高価な専用カートリッジではないですね(笑)
ソフトウェアについて
Repetier Host(idbox!カスタマイズ版)
が使えるようなので
STLのスライスも汎用ソフト
が使えるはずです。
使いこなせばそれなりの品質は出せそうです。
感想
という訳で、「マイ3Dプリンター」と
普通の3Dプリンターとどちらがよいか
個人的な感想です。
【マイ3Dプリンターが向いている人】
・3Dプリンターの構造を学びたい。
→解説は詳しいので知識は身につくと思います。
・完成後、自分でメンテナンスしたい。
→自分で組み立てるので当然メンテできるようになります。
・データも自分で作れるようになりたい。
→CADのチュートリアルもついているので並行して学べます。
・一気にコストをかけられない。
→毎週2000円の分割みたいなものですから…
【普通の3Dプリンターが向いている人】
・早く欲しい。
→完成まで1年は結構長いです。。
・とにかく安く上げたい。
→単に機器だけ欲しいなら単品の方が安く済みます。
・3Dプリンター&CADの知識は十分ある。
→今更勉強不要の方は、ブツだけ購入すればよいかと思います。
「マイ3Dプリンター」は
3Dプリンターの通信教育
みたいなものですので
勉強する気があるかどうか、
1年待てるかどうかが判断基準になると思います。
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