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062 scluptrisデータの3Dプリント
62 scluptrisデータの3Dプリント
以前にご紹介した
Scruptris
私は全く使いこなせないのですが、
プロ級のデータを拝借したので
試しにAtom2号で出力してみました。
いつもの世界遺産模型と違って
有機形状を綺麗に出すにはまた違った観点が必要みたいです♪
- 2013/12/07:公開 -
頂戴したSTL
見ての通りバットマンヘッドです。
頬骨の張り具合といい
眼球周りの形状といい
完全にプロの作品です♪
データとしては高さがなぜか4㎜だったのと、
エラーはないのですがSolidがなぜか4つと認識されているのが
ちょっと気になりますが、とりあえずやってみます♪
スライス後2
上記の造形は早々に失敗してしまい、
高さ6cm、積層0.2mmに再調整してリベンジです。
今度は約4時間程度で終わりそう♪
造形品(正面)
4時間後に出来たブツがこちら。
目、口周りのモールドが詰まった感じがしますねぇ。
6㎝というとプラカラー程度の大きさで結構小さいです。
このサイズだと再現は厳しいのかな…
造形品(右側面)
造形品(左側面)
頬と額部分に変な欠損が生じています。
こういう症状は出た事ないなぁ~
どこで変な事になっているのか調べてみる事にしました。
①
STLデータ自体
に不具合が内在されている。
②STLデータを
G-CODEに変換する際
に不具合が混入された
③G-CODEは正常だが
造形時
に品質劣化が発生した。
(ハードウェアの問題)
のいずれに原因があるかの観点です♪
G-Code
G-Codeを見ると
既に変な欠損がクッキリ表示されています。
少なくとも③が原因でない事は分かりました。
STL
メッシュ表示
STLを見ると
少なくとも見た目には綺麗に面が張れていそうです。
メッシュ表示でも確認しましたが問題はなさそうです。
これで(絶対とは言えませんが)
①が原因でもないと思われます。
上記を前提に、スライスソフト(Kisslicer)のパラメータをいろいろいじってみたのですが、
この欠損部分は必ず発生しました。
推測ですが、4㎜のSTLをG-Code生成時に強引に10Cmに拡大しているので
その際に微小なエッジが変に拡大される事があるかもしれません。
いずれにせよSTLデータは造形したいサイズ通りで作った方がよさそうですね。
エッジ部のモールド1
もう一点、ディテールのエッジが変につぶれています。
ABSが溶けてモールドが埋まる事はありますが、
今回のは明らかにG-Codeが生成しているように見えます。
G-Codeを見るとサポート材が邪魔で
どうなっているか見えないので
STLを確認しました。
この辺はやけにエッジが立っていますね。
エッジ部のモールド2
メッシュ表示
更にアップ!この表示だと分かりにくいのですが、
微細に面が閉じていない様に見えます。
また、メッシュ表示にすると
この辺はものすごい精緻データで
スライスソフトが正しく処理しきれなかったっぽいですね。
FDM形式の3Dプリンターは
STLデータをスライスするというハードワークが発生します。
高精度データは少々精度を落とさないと
うまく処理できない事がありそうですね。
そもそもFDMではそれほど高精度は再現できませんし…
リベンジVer2
G-Code
上記を踏まえて、
Kisslicerのパラメータを変更して造形したのがこちらです。
変更点は
skin thicknes .8 > .6 (曲面の内部補強の厚み)
Num of roop 4 > 3 (外郭面構成時のループ数)
Layer Thick 0.2 > 0.15 (積層ピッチ)
Height 60 > 80 (高さ)
ちなみにSlic3rでスライスしようとしたらクラッシュしました(笑)
残念ながら、昨晩と同じ箇所が美しく造形出来ていませんでした・・・
G-Code上も表面が乱れていました。
G-Code
少々データの精度を落として、
下記パラメータで再度造形中~
Extrusion Width 0.4 > 0.15
(外郭生成時の1ラインあたりの幅)
Layer Thick 0.2 > 0.15 (積層ピッチ)
G-Codeを見る限り品質は向上しているようです。
Extrusion Widthの値は曲面表面の品質に影響大きそうですねぇ
こいつの精度を上げると積層ピッチも上げないといけないので
時間は非常にかかってしましますが
品質向上には良さそうです。
リベンジVer3
出来上がったのがこちら~
上記の欠損と目・口周りのモールドは直ったのですが、
割れがひどくなってしまいました…
積層を薄くしたので、
固着力が弱まってABSの収縮の影響をモロ受けた為と思われます。
対応として考えられるのは
造形エリアの温度を維持できる様、ガードする。
射出係数(Flow Tweak)を上げて樹脂量を増やしてみる
(やりすぎるとダマになりますが)
ノズルの温度を上げて固着力を強化する。
って所でしょうか…
とりあえず、データの不具合は解決手段が見つかりましたので、
一旦完了としたいと思います♪
冬場のABS収縮はまだまだ工夫が要りそうですねぇ~
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「62 scluptrisデータの3Dプリント」は以上です。
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