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035 3Dプリンターって本当に簡単なの?
3Dプリンターを使うと「誰でも」「簡単に」好きなものを作れる!
と話題になってますが、「本当」でしょうか?
家庭用プリンターで造形する際に
考慮しなくてはならない点をまとめてみました
最低これだけは理解していないと まともな造形は出来ませぬ~
- 2013/05/19:公開 -
積層ピッチ
まずは造形品質に最も影響の大きい
積層ピッチを決める必要があります。
値が小さい方がより精密な造形が可能ですが
1層あたりの厚みが減る事で
ホットエンドの熱が造形済みの部分に伝わりやすく
エッジ部分がだるくなってしまう可能性があります。
また一層あたりの面積が小さい造形の場合は
造形部分がまだ固まりきっていないうちに
次の層の造形が始まってしまうので
ヘッダースピードも考慮する必要があります。
さらにエクストルーダのフィラメント押し出し速度も
適切に調整する必要があります。
積層ピッチの値を変更した場合は
その他非常に多くのパラメータを見直す必要がある
恐ろしいパラメータです♪
【該当パラメータ】
Slic3r: Layer height
Skeinforge: Layer Height(Thickness)
ヘッダ移動スピード
この値を大きくすると造形が早く完了します。
ヘッダの移動速度を速くすればフィラメントは薄く
遅くすれば厚く造形されます。
速すぎるとフィラメントが足りず上下のレイヤーと固着せず、
遅すぎるとフィラメントが余って
いわゆる「ダマ」上の造形となります。
適切な値は形状によっても異なり
例えば直線の造形時とぎざぎざの造形時で
まるで変わってきます。
【該当パラメータ】
Slic3r: Speed for print moves 配下
Skeinforge: Feed Rate
フィラメント送り速度
フィラメントを押し出すスピードです。
ヘッダスピードと逆に
送り速度を速くすればフィラメントは厚く
遅くすれば薄く造形されます。
その結果はヘッダスピードの場合と同じですが
適切な値を見つけるのは非常に難しいです。
この値を自動で計算してくれるので
最近はもっぱらSlic3rを使用しています。
(※100%ではありませんが)
【該当パラメータ】
Slic3r: なし(自動)
Skeinforge: Flow Rate Setting
テーブルの温度
造形品を出力するテーブルの温度です。
低すぎると造形品が途中で剥がれてしまします。
高すぎると造形品がいつまでも冷えず
ドロドロの造形になってしまします。
通常60度~100度の間(90度前後が多い)が最適ですが
造形品の大きさ・形状によって調整が必要です。
例えば縦長の造形はテーブル接地面が少ないので
温度を高めにしないとはがれやすく。
横長の造形は接地面が多く熱が伝わりやすいので
低めにしないと底面がめくりあがります。
この値はG-Code生成時だけでなく
PrintrunやRepetetar-hostのGUI上からも変更できます。
【該当パラメータ】
Slic3r: Bed Temperature
Skeinforge: Bed Temperature(Celcius)
Printrun: テーブル温度を設定してSET
Repetater-host: テーブルの加熱
他にも失敗の要因は多々ありますが
上記の4つは理解していないと必ず失敗する
重要パラメータという事で解説してみました。
これらの影響もなく
本当に「誰でも」「簡単に」3Dプリントできるようになるといいですねぇ♪
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【3Dプリンターって本当に簡単なの?2(3次元データ編)】
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