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103 きれいに3Dプリントする基礎知識♪
きれいに3Dプリントする基礎知識♪
丸3年3Dプリンターをいじくりまわしてきまして
大分コツも分かってきました(つもりです…)。
折角なので、きれいにプリントする基礎知識という事で
私が心がけている点をご紹介します。
※あくまでこのデータ形状の場合の例です~
- 2015/09/19:公開 -
作りたいブツはこちら
対象物は私の大好物のアンコールワット中央祠堂(の下半分)
派手な逆テーパが無くて比較的造形しやすい形状です。
とはいえエッジの鋭角が魅力なので
角がナメったりしない様注意が必要です。
データのサイズ
カタログ上、最大造形エリアは10㎝×10㎝なのですが、
あまりぎりぎりにしないようにしています。
うちの機械はどうも中心がずれているのか、
エリアギリギリの造形が微妙にずれる傾向がありますので…
データを分割してみて
だいたい8*8㎝におさまるように再設計です♪
対象形は省略
今回の形状は前後&左右ほぼ対称なので
4分の一だけモデリングすればあとはコピーできます。
入り口部分と階段部分だけ後でちょっと付け足します。
写真の部分は半分だけモデリングして
ミラーコピーすれば作れちゃいます♪
逆テーバは避ける
サポート材を付与することで
逆テーパの造形は可能ですが、
品質が落ちるのでなるべく避けます。
今回は逆テーパになる部分は分割します。
※画像左下が元形状で上が分割後です。
造形その1
今回はX-Yに長くZが短いので
剥がれたり倒れたりするリスクは少ないです。
但し反りの防止が重要になります。
Number Of Roopは2に設定してますが、
底面(1~2層目)の造形は丁寧に完了させます。
造形その2
Infillは2.5%ですが
この形状でも裸で造形すると反ります…
なので3層目あたりからは防温カバーをかけて
造形エリアのヒケを防止します。
失敗例その1
キャリブレーションが甘いと
あっという間に写真のようになります。
1㎜未満くらいならプラモ用接着剤で強引に修正できますが、
写真くらい反ったら修復はあきらめた方が良いですねぇ。
反り対策についてはこちらに備忘してあります♪
造形その3
ある程度造形が進んだら
カバーのふたを閉めて全面保温体制にします。
この時エクストルーダが熱くなると
フィラメントが柔らかくなって
ノズル送り不良の原因になってしまうので、
保冷剤で冷やしつつ実施します。
失敗例その2
ある程度造形が進んでも
油断すると反ります…
この位かたまってくると修正は不可です…
あとでエポパテで補修するか、
やり直すかの2択を迫られます…
建築物はエッジのシャープさが大事なので~
造形その4
後半は完全防温でヒケ&反り防止を徹底します♪
カバー内はかなりの温度になるので
保冷剤が解けて水滴が垂れるリスクがあります。
時々保冷材についた水滴をふき取ってやりつつ
造形にそりがないかチェックします。
完成
2時間ほどで1パーツ完成♪
組み合わせた時に補修できないほどの反りがないか
エッジがシャープに出ているか の2点をチェックします。
進捗
今回はこの形状を53パーツに分割したので
約2週間で、のべ100時間位かかりました。
※うち25%位が失敗時間です…
最終形
更にいうと、
今回のパーツは全体の中心部分のみでして
全部完成するのは年明け位になる見込みです…
最後までモチベーションが保てることを祈るばかりです…
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「103 きれいに3Dプリントする基礎知識♪」は以上です。
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